公開: 2019年7月28日
更新: 2019年7月xx日
第2次世界大戦直後、宗教哲学の専門家である中村元氏は、「東洋人の思惟方法」題した一連の著作を発表しました。その第3巻は、「日本人の思惟方法」と題され、日本人の文化的特徴についての深い分析が述べられています。特に、東洋人の中でも日本人は、現実的な思考を得意としていて、長期的な視野に立った思想的な考えよりも、短期的な視野での現実を良くするやり方を考えることに力を注ぐ傾向があることが指摘されています。これは、日本人が自分たちが置かれた環境を、「変えられないもの」として、環境を変えることよりも、目前の問題を解決することに興味を持つ傾向があることを意味しています。
中村 元、「日本人の思惟方法」(1989年)、春秋社